人間と同じように基本はハムスターにも暮らすための『家』が必要です。そしてその家の中には、テーブル、水道、トイレ、お風呂、ベッドルームなどが必要ですよね。それと同様『ケージ』の中に必要な設備を整えてあげるイメージです。
ケージにはサイズはもちろん、金属製・プラスチック製・ガラス製・アクリルの水槽などさまざまな種類が販売されています。どれも使い方次第でハムスターの快適な居住空間になるのですが、ハムスターの種類や飼い主の掃除のしやすさなども考慮すると、選択肢がたくさんあり迷ってしまいます。
今回はハムスター用ケージの選び方、掃除方法を紹介していきます。せっかくお迎えしたハムスターに快適な生活を送ってもらえるよう、少しでも飼い主様の参考になれば嬉しいです。
ハムスターの大事な家『ケージ』の選び方
まずはケージの選び方のポイントをご紹介します。主に3種類あり、それぞれのメリット、デメリットを見ていきましょう。
金網タイプ → 扱いやすく、価格が安い
金網タイプはハムスターケージの中でもっともポピュラーなものです。上部が金網、下部がプラスチックのものが一般的です。
メリットは金網部分とプラスチック部分が取り外せるため掃除がしやすい点、ケージ自体がとても軽いので持ち運びもしやすく、付属品の設置も簡単にできるという点です。
デメリットはハムスターが金網をかじってしまい、不正咬合(上下の噛み合わせが悪くなること)になったり、ハムスターの足が細く小さいので金網に挟まってしまい大きな怪我につながってしまうことなどです。中には天井まで登り、ぶら下がってしまうハムスターもいますので注意が必要です。飼い主にとっては扱いやすいケージですが安全性を考えてしっかり対策することが必要です。
水槽タイプ → 透明なので中の様子がよく見える
水槽のようにしっかりとした作りで、周りがプラスチック・アクリル・ガラスなどで囲まれている商品が一般的です。金網タイプより安全性は高くなります。
メリットはクリアな透明なので横からも上からも中の様子を観察できること、そして金網タイプのようにハムスターがケージに噛み付く心配がないこと、遮音性が高いのでハムスターが音にストレスを感じず過ごせることなどです。ハムスターが比較的安全に過ごせるシンプルな設計になっています。
デメリットとしては、囲まれているため少し通気性が良くないという点です。通気用の穴は開いていますが金網タイプに比べると劣ります。そのため、湿気やにおいがこもりやすいので定期的な換気、掃除をする必要があります。
プラスチックタイプ → 寒い時期は保温性に優れている
サイズがコンパクトでとてもユニークな形状・設計をしているデザイン豊富な商品が多くみられます。ケージ自体もとても軽く、持ち運びがしやすいのも特徴のひとつです。
メリットは保湿性が高く、寒い時期でも中はとても温かいこと。寒がりのハムスターにはぴったりですね。比較的価格も安くで購入できます。
デメリットは2階建て、3階建てになっている商品があり、見た目もかわいいので人気もありますが、サイズがコンパクトな製品が多いためハムスターにとってはストレスを感じたり、ハムスターの運動には不向きなものもあるようです。屋根が付いていたり、サイド部分が金網のものもあります。しっかりとチェックしてから選ぶようにしましょう。
飼育初心者におすすめケージ
初めてハムスターを飼育する人におすすめするのは、シンプルな作りのケージです。余計な装飾がなくシンプルであればあるほど掃除もお世話もしやすく手間がかかりません。
中には長いハシゴが付いていたり、2階建てになっていたする商品もありますが、ハムスターが落下したりして思わぬ怪我をする危険性があるため飼育初心者にはおすすめできません。
ケージの大きさ
野生のハムスターは一日に5〜20kmもの距離を移動すると言われています。ハムスターが快適にストレスなく過ごせるようにケージはなるべく大きいものを用意してあげましょう。ケージのサイズは選ぶ際にもっとも最初にチェックする重要なことです。小さすぎるケージでは満足に動き回れず、ストレスを感じながら過ごさなくてはいけません。ハムスターは縄張り意識も強いのでケージのサイズは広ければ広いほど喜びます。ただ、サイズが大きくなると価格が上がってしまいますが、ハムスターが快適に過ごすためできる限り大きなサイズのケージを選んであげてください。
ケージ内の掃除方法
ケージが汚れる原因はハムスターのウンチやオシッコ、食べ残したエサなどです。定期的に掃除をしてあげないとにおいの原因になったり、ハムスターの健康にもよくありません。ケージの掃除方法、掃除頻度などを見ていきましょう。
毎日する掃除
・トイレ砂の交換
ゴールデンハムスターやジャンガリアンハムスターは決まった場所でオシッコをすることが多いのでトイレ・トイレ砂を用意すれば掃除も簡単に。一度のオシッコの量は少ないですが、放置しておくとだんだんにおいが強くなってきます。
・床材の交換
給水器の水が垂れて濡れていたり、オシッコがかかった部分を取り除きます。
・ハムスターが残したエサの掃除
生野菜・果物などの腐りやすいものは食べ残しの場合すぐに撤去します。夏場は特に腐りやすいので注意しましょう。
※ペレット、ミックスフード、おやつなどで乾燥したものであれば慌てて取り除く必要はありません。あまりこまめに食べ残しのエサを撤去すると、ハムスターがせっかく隠したエサを取られたと勘違いし、頬袋から出さなくなることもあります。頬袋から出さなくなると、頬袋の中でエサが腐ってしまい、ハムスターが病気になってしまう恐れがあります。
2〜3日に一度の掃除
・ケージ内の床材を捨てる
オシッコは決まった場所ですることを覚えてくれますが、ウンチは色々なところでしてしまいます。においは強くありませんが、菌の繁殖を防ぐためにもしっかり取り除きます。ハムスターはにおいで縄張りを確認しているので、床材は全て交換せず、古いものを少し混ぜてやると安心します。
・ケージの床、壁、おもちゃ、給水器の汚れを拭き取る
ウンチ、床材の取り替え、巣の中に溜め込んだエサなどを捨て、ケージが汚れている場合は拭いたり、軽く水洗いをしてあげましょう。おもちゃや給水器も軽く水洗いし、水気はしっかり拭き取ってから設置します。
一ヶ月に一度の大掃除
夏場は湿度も高く汚れがつきやすいので一ヶ月に一度、冬場は三ヶ月に一度のペースで行います。しかし、ここで大切なことはケージ内のにおいを落としすぎないということです。ハムスターは縄張り意識が高くにおいで確認しているので、あまり綺麗にしてしまうとハムスターは逆にストレスを感じてしまいます。「気になるにおいや汚れを取り除く」という気持ちで取り組んだ方がいいでしょう。
ケージ大掃除の手順
その1. ハムスターを別の場所に移動させる
ハムスターにストレスがかからないよう、においが着いたケージ内の床材などを一緒に入れてあげましょう。なるべく手際よく、早めに掃除を終わらせることを心がけてください。
その2. ケージの中の遊具や飼育用具などを全て出し、汚れた床材を捨てる
床材は全て廃棄せず、ハムスターのにおいがついた床材を掃除後に戻してあげましょう。
その3. ケージを水洗い
少しの中性洗剤なら使ってもOKです。洗剤が残らないようしっかり洗い流してください。
その4. 飼育用具を水洗い
給水器、トイレ容器、おもちゃなども水洗いで汚れを落としましょう。汚れのひどいものは中性洗剤を使って落とします。細かい部分も気をつけて洗います。木製の飼育用品は洗えませんので、汚れを拭くか、屋外で日光消毒をするといいですね。
その5. 飼育用品の水気チェック
タオルやペーパーでしっかり水気を拭き取ります。日光に当てて乾燥させてもいいです。
その6. ハムスターをケージ内に戻す
新しい床材に残しておいたにおい付きの床材も一緒に敷きます。ハムスターが戸惑わないようにエサ箱、トイレなどは掃除前と同じ位置に設置してあげてください。これで全ての作業が終わりました。気持ちよくハムスターを戻してあげられますね。
毎日の掃除によって、ハムスターのウンチやオシッコの状態を確認し体調管理もできます。慣れれば掃除のルーティーンができ、時間も30分程度で終わります。綺麗になったケージでハムスターが快適に過ごせますように・・・🐹✨